ベビーケア

赤ちゃんのねんねトレーニングガイド

赤ちゃんのねんねトレーニングはいつから?6ヶ月以降の方法、成功のコツ、よくある失敗と対策を専門家が詳しく解説します。

監修: Whispie 編集チーム エビデンスに基づく育児リサーチ

公開日:

この記事は一般的な情報提供を目的としており、専門的な医学的助言に代わるものではありません。お子さまについては必ず小児科医にご相談ください。

出典:WHO・CDC・AAP・NHS。推奨は国によって異なります。日本については日本小児科学会をご確認ください。

リサーチと監修の方針 →

ねんねトレーニングとは何か、なぜ話題になるのか

ねんねトレーニング(ネントレ)とは、赤ちゃんが授乳やおしゃぶり、抱っこでのゆらゆらに頼らずに自分で眠りに入れるようになるための働きかけです。もう半分は、夜中に何度も訪れる浅い眠りの切れ目で、そのまま自分でまた眠りに戻れるようになること。生活リズムを整えたり部屋を暗くしたりする睡眠環境の整備とは別のものですし、夜間断乳とも別のものです。実際には三つを同時に進める家庭が多いのですが、混同すると話がこじれます。

根拠となる生理は単純です。赤ちゃんも大人と同じように90〜120分ごとに睡眠のサイクルを一巡します。大人は切れ目で寝返りを打ち、翌朝それを覚えてもいません。ところが、おっぱい、哺乳びん、揺れ、親がそばにいることとセットでしか入眠を覚えていない赤ちゃんは、切れ目のたびにその助けを呼び戻します。こうして夜が40分刻みに切り刻まれ、親の睡眠不足が数週間で積み上がります。気合いで乗り切る話ではなく、家族全体の健康の問題です。

米国小児科学会は特定のやり方を推奨してはいません。行動的な睡眠介入については、米国睡眠医学会が2006年にまとめた診療指針(モーゲンターラーら、Sleep 誌)が、消去法にもとづく方法の科学的裏づけをもっとも厚いと評価しています。長期的な悪影響を心配する声も、その後の追跡研究では裏づけられていません。目的は、赤ちゃんが夜にぬくもりを求める気持ちを封じることではありません。何年も先まで役に立つ「自分を落ち着かせる力」を育てることです。

ただし正直に書いておきます。この記事のもとになっている欧米の議論は、赤ちゃんが別室のベビーベッドで寝ることを前提にしています。日本はそうではありません。添い寝は昔からの当たり前の育て方で、川の字で眠る家庭がほとんどですし、住宅事情から子ども専用の寝室を用意できる家庭も多くありません。添い乳も広く行われています。泣かせる方法は日本では一般的とは言えず、小児科や保健センターでも、まずは生活リズムや入眠の儀式といった土台の話から入るのが普通です。以下では欧米の方法をごまかさずに紹介しますが、「これが正解で日本のやり方は遅れている」という意味ではありません。選ぶのはご家庭です。

赤ちゃんの準備は整っている?月齢と発達の目安

始めてよいかどうかを決める最大の要素は月齢です。生後まもない赤ちゃんは、脳の発達の面で自分を落ち着かせることがまだできません。睡眠の構造も体内時計も胃の容量も未熟だからです。生後3〜4か月より前に行動的な方法を試しても、泣き声が増えるだけで結果は出ません。

生後3か月未満:欲しがるときに授乳し、泣いたら応え、「授乳・遊び・睡眠」のゆるやかな流れを作る時期です。本格的なねんねトレーニングは勧められません。夜中に何度も目を覚ますのは生物学的に正常で、必要なことです。

生後3〜4か月:体内時計が育ち始めます。月齢に合った活動時間と、毎日同じ順番の入眠の儀式を取り入れ、うとうとしているけれど起きている状態で寝床に置く練習を始められます。本格的なトレーニングはまだ早い子が多いものの、ここで習慣の形を作っておくとあとがずっと楽になります。

生後4〜6か月:やさしい方法であれば始められる最も早い時期です。体重が順調に増えている健康な赤ちゃんなら、自分で眠りに入ることを学べる段階に来ています。始める前に、かかりつけの小児科医に成長曲線に沿っているか、睡眠を妨げる病気がないかを確認してもらいましょう。ちょうど4か月児健診の時期にあたるので、その場で相談するのが現実的です。

生後6か月以降:主な方法はすべて選択肢になります。健康な赤ちゃんの多くは栄養面で夜間にまとまって眠れるようになり、消去法にもとづく方法の裏づけがいちばん強いのもこの月齢以降です。ただし生後8〜9か月ごろには「見えなくても存在は続いている」という理解が芽生えます。この時期の一時的な後戻りは、トレーニングの成否とは関係のない発達上の変化です。

始める前の確認事項:修正月齢で4か月以上(早産児は出産予定日から数えます)、小児科医から問題なしと言われている、体重が安定して増えている、未治療の逆流や中耳炎など痛みを伴う状態がない、そして夫婦・家族の間で方針がそろっていて少なくとも1〜2週間は同じ対応を続けられること。最後の項目が崩れて失敗する家庭がいちばん多いのが実情です。

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まず安全な睡眠環境から:厚生労働省の考え方

やり方の話をする前に、安全の話を片づけます。ここは選択の余地がなく、どの方法を選ぶかにかかわらず共通です。厚生労働省は乳幼児突然死症候群(SIDS)の発症率を下げるために三つの点を繰り返し呼びかけています。1歳になるまではあおむけで寝かせること、できるだけ母乳で育てること、保護者や周囲の大人がたばこをやめること。あわせて、睡眠中の窒息事故を防ぐ寝床づくりも欠かせません。

添い寝は日本の子育てに深く根づいた習慣で、それ自体を否定しても意味がありません。正直に言えば、危険度は状況によって大きく違います。生後まもない時期、家族に喫煙者がいる家庭、柔らかい寝具、親が疲れ切っているとき――この四つが重なるほど危険になります。夜の授乳のためにすぐそばで寝たいなら、大人の布団の横にベビー布団をぴったり並べる、あるいは大人用ベッドに横付けできるベビーベッドを使う、つまり「同じ部屋、別の寝床」が現実的で安全な折り合いです。添い乳のまま親が眠り込んでしまう形は避けてください。

安全な環境でねんねトレーニングを行うとは、赤ちゃんが自分の寝床であおむけになり、まわりに余計な物がない状態を指します。バウンサーやチャイルドシートで寝かせたままにするのは別の話です。生後6か月ごろに自分で寝返りを打つようになった赤ちゃんが寝ている間にうつぶせになった場合は、そのままでも差し支えありません。大切なのは、寝かせるときは必ずあおむけから始めることです。

ファーバー法(段階的消去法・タイムメソッド)

ボストン小児病院のリチャード・ファーバー医師が1985年の著書で示した方法(2006年に改訂)は、小児医療のなかでもっとも研究されてきた行動的な睡眠介入です。日本では段階的消去法、あるいはタイムメソッドと呼ばれます。「様子を見に行って安心させるが、寝かしつけはしない」という形をとります。

やり方:まず入眠の儀式を決めます。お風呂、授乳、絵本、子守唄など家庭に合うもので構いませんが、20〜30分に収めます。そのうえで起きている赤ちゃんを寝床に置き、部屋を出ます。泣いたら、あらかじめ決めた時間だけ待ってから戻ります。初日は3分、次は5分、次は10分といった具合で、翌日以降は待ち時間を少しずつ延ばします。部屋に入ったら1〜2分以内で切り上げ、静かに声をかけて軽くとんとんする程度にとどめ、抱き上げません。この訪問は「そばにいるよ」と伝えるためのもので、寝かしつけのやり直しではありません。

待ち時間の目安:

多くの家庭で3〜5日目にはっきりした変化が出ます。必要なのは二つだけです。毎晩変わらない入眠の儀式と、最初の1週間は夜中に方針を投げ出さない覚悟。途中で折れて抱っこや授乳に戻ると、赤ちゃんは「長く泣けば元どおりになる」と正しく学習してしまい、次の挑戦が前より難しくなります。

研究では:複数の無作為化比較試験と追跡調査、たとえばプライスらの2012年の報告(Pediatrics 誌、6歳時点のコルチゾール値と愛着)やグラディサーらの2016年のオーストラリアの研究(Pediatrics 誌、12か月時点のコルチゾール値と愛着)で、段階的消去法を受けた赤ちゃんは対照群と比べてコルチゾール値、愛着の安定性、行動面のいずれにも差がないことが示されています。追跡期間は2か月後から5年後までさまざまです。

日本では「泣かせる方法」の一言でまとめられ、中身を知られないまま敬遠されがちです。実際には夜通し放っておくやり方ではなく、大人が顔を見せる間隔を数分ずつ空けていく方法だという点は押さえておいてください。

完全消去法(泣かせて眠らせる方法)

完全消去法は、起きている赤ちゃんを夜に寝床へ置いたあと、朝まで、あるいはあらかじめ決めた授乳の時刻まで部屋に戻らない方法です。途中の様子見はありません。健やかな睡眠習慣について書いたマーク・ワイスブルース医師の名前と結びつけて語られますが、似た方法は1950年代から小児科の文献に登場しています。

公表された研究のなかでは、これがもっとも早く効く方法です。多くの報告で3〜7日のうちに落ち着きます。ただし最初の1〜2晩の泣きはどの方法よりも長くなります。意外に思えるかもしれませんが、大人が顔を出すたびに落ち着くどころか興奮してしまうタイプの赤ちゃんでは、1週間を通した泣きの総量は段階的消去法よりも少なくなることがあります。

長期的な結果についての証拠はファーバー法と同等です。2016年のオーストラリアの研究は、段階的消去法、就寝時刻の調整、睡眠についての一般的な情報だけを受け取る対照群を直接比べ、12か月後の時点で子どもの健やかさにも親子の愛着にも差がないと報告しました。ワイスブルース医師の方法は「赤ちゃんの気持ちを無視している」と紹介されることがありますが、実際には月齢に合った生活リズムと健康の確認が前提であり、体調の悪い赤ちゃん、おなかのすいた赤ちゃん、安全でない寝床にいる赤ちゃんには当てはめません。

段階的消去法よりこちらが向く場合:大人が入室するたびに泣きが激しくなる場合、何週間も様子を見に行っているのに変化がない場合、両親が7晩続けてぶれずにやり切ると決められる場合です。

そのうえで、はっきり書いておきます。これはもっとも議論の多い方法で、添い寝が当たり前の日本で実行している家庭はごく少数です。感情的にどうしても受け入れられないなら、それは選ばない十分な理由になります。2日目でやめてしまう強い方法より、最後までやり切れるやさしい方法のほうが結果として役に立ちます。

抱き上げ下ろし法

英国の看護師でありベビーシッターでもあったトレイシー・ホッグが広めたこの方法は、徹底して応答的です。起きている赤ちゃんを寝床に置き、泣いたら抱き上げ、落ち着いたらまた置く。これを、赤ちゃんが腕の中ではなく寝床の上で眠りに落ちるまで繰り返します。

もっとも効果が出やすいのは生後3〜5か月です。「呼べば応えてもらえる」という安心感を保ったまま、最終的に眠りに入る場所だけを親の腕から寝床へ少しずつ移していきます。入眠の癖がまだ固まっていない赤ちゃんなら、1週間ほどで変化が見えることもあります。

大きな弱点は月齢です。生後5〜6か月を過ぎると記憶力や好みがはっきりしてきて、繰り返し抱き上げられることが慰めではなく「ごほうび」や刺激として働きます。月齢の進んだ赤ちゃんに使った家庭からは、何時間も抱いたり置いたりを繰り返す寝かしつけになり、短いファーバー法よりも親子ともに消耗したという報告がよく聞かれます。ホッグ自身も、効果が出なくなったら方法を切り替えるよう助言していました。

体への負担も見過ごせません。ベビーベッドの柵越しに何十回もかがむ動作は、腰痛のある人や帝王切開後の人にはかなりこたえます。また、途中でぶれやすい方法でもあります。親が根負けして授乳や抱っこでの寝かしつけに戻れば、赤ちゃんは「泣き続ければ違う結果になる」と学び、入眠の癖はかえって強まります。

フェイドアウト法:椅子法と就寝時刻の調整

フェイドアウト法は、入眠のときに親がそばにいる状態を保ちながら、その存在を計画的に薄めていく方法です。よく知られているのはキム・ウェストによる椅子法。初日は寝床のすぐ横に椅子を置いて座り、静かな声かけや軽くとんとんする程度の最小限の関わりにとどめ、抱き上げません。2〜3日ごとに椅子を遠ざけます。部屋の中ほど、次に戸口、最後は部屋の外へ。

就寝時刻の調整は、関連しつつ別の考え方です。眠気のサインがはっきり出るまで寝かしつけを少しだけ後ろにずらすと、寝つくまでの時間が短くなり、ぐずりも減ります。数分で寝つくようになったら、就寝時刻を少しずつ本来の時間に戻します。2016年のオーストラリアの研究では、この方法は段階的消去法と同等の睡眠の改善をもたらし、母親のストレスは最初の1か月でどちらのグループも同じくらい、小さめから中くらいの幅で下がったと報告されています。

利点は明らかで、消去法系のどちらよりも泣きが少なくて済みます。一方で実務上の欠点もあります。1〜2週間ではなく2〜4週間かかること。親は部屋の中で、話しかけも目も合わせずに座り続ける居心地の悪い時間に耐えること。そして特有の失敗の仕方があります。すでに寝不足の親が椅子で先に寝落ちしてしまい、「親がそばにいる」という結びつきをかえって強めてしまうのです。

長く泣かせることがどうしても無理な家庭、人見知りや後追いの強い赤ちゃん、消去法を試して途中でやめた経験のある家庭には、この方法が最初の選択肢として理にかないます。1〜2歳の子にも一般的に勧められます。大きくなるほど抗議は粘り強く手が込むようになり、待ち時間方式が扱いにくくなるからです。添い寝から少しずつ距離を作りたい日本の家庭には、いちばん受け入れやすい道筋でもあります。布団を並べたまま、まず授乳での寝かしつけをやめ、次にとんとんをやめ、最後に手を離す、という順序に置き換えて進めることもできます。

「泣かせない」やさしいアプローチ

泣かせずに眠れるようにするというエリザベス・パントリーの提案は、この分野のもっともやさしい端に位置します。決まった時刻に入眠の助けを一気に取り上げるのではなく、完全に眠り込む直前におっぱいやおしゃぶりをそっと外し、嫌がったら戻して少しあとにまた試す。これを月齢に合った活動時間とていねいな入眠の儀式と組み合わせ、2〜4週間かけて、口に含んでいる時間を短くしながら眠りに入れるようにしていきます。

「まったく泣かせない」という考え方は魅力的ですが、公表されている根拠は消去法系より薄いのが実情です。向いているのは、まだ深刻な寝不足に陥っていない家庭、生後7か月未満の赤ちゃん、途中でぶれずに長い時間軸を守れる家庭です。一方、生後9か月で夜中2時間おきに授乳しているような状況では、やさしい方法だけで間に合うことはまれで、親が先に倒れてしまいます。

ひとつ正直に書いておきます。「泣かせない」方法でも、赤ちゃんはある程度は抗議します。違いは、その抗議が短く、そして親がすぐ応えるという点です。習慣が変わるとき、赤ちゃんが不満を表さないということはありません。方法によって違うのは、その量と長さ、そして大人がその瞬間に何をするかだけです。

方法の選び方:親のための判断の枠組み

どの家庭にも当てはまる最良の方法はありません。適した選択は、赤ちゃんの月齢と気質、親自身が泣き声にどれだけ耐えられるか、現実にどれだけ一貫して続けられるか、そして医学的な事情で決まります。実際的な目安は次のとおりです。

生後4〜5か月なら:抱き上げ下ろし法か、やさしいフェイドアウト法。応答的な寝かしつけがまだよく効く月齢で、多くの家庭にとって消去法系は時期尚早です。

生後6〜9か月で、ある程度の泣きに耐えられるなら:ファーバー法。裏づけがもっとも強く、通常3〜7日で結果が出ます。親が姿を見せる安心感と、自分で眠りに入る力を育てることのつり合いが取れています。

生後6か月以上で、様子を見に行くほど悪化するなら:完全消去法。大人が現れるたびに火がつくタイプの赤ちゃんでは、1週間の総量で見ると段階的な方法より泣きが少なくなります。

長く泣かせることがどうしても無理なら:椅子法か就寝時刻の調整。2〜4週間を見込み、スケジュールを几帳面に守ってください。この方法が失敗するのはやり方が悪いからではなく、ほぼ必ず一貫性が崩れたときです。

どの方法でも共通する土台:月齢に合った活動時間にもとづく見通しの立つ一日の流れ、20〜30分の落ち着いた入眠の儀式(お風呂、授乳、絵本、子守唄)、眠りやすい環境(暗い部屋、ホワイトノイズ、室温20〜22℃)、そして起きている状態で寝床に置くこと。朝はできるだけ同じ時刻にカーテンを開け、日中の光を浴びることも忘れずに。

専門家に相談する目安:同じ方法を2週間以上きちんと続けても変化がないとき、睡眠を妨げる医学的な要因が疑われるとき、親の心の状態が限界に近づいているとき。まずはかかりつけの小児科医に相談し、貧血、逆流、中耳炎、いびきや無呼吸などがないかを確認してもらいましょう。あわせて、乳幼児健診の場、地域の保健センターや子育て世代包括支援センターの育児相談、産後ケア事業も使えます。産後の睡眠不足は気持ちの落ち込みと結びつきやすいので、「眠れていない」ことそのものを相談してかまいません。

ねんねトレーニングを台無しにするよくある失敗

合う方法を選んだ家庭でもつまずくことがあります。その多くは避けられる進め方の失敗です。よくあるものを挙げます。

夜間断乳とねんねトレーニングを一緒に進める

夜間断乳、つまり夜中の授乳を減らす、あるいはやめることは、ねんねトレーニングと関係はしていますが別のことです。1〜2回の適切な夜間授乳を続けたまま自分で眠りに入れるようになる赤ちゃんもいますし、逆に、形式ばったトレーニングをせずに夜間断乳だけを進めることもできます。それでも二つが一緒に語られるのは、生後3か月の時点では栄養だった授乳が、生後9か月には眠るための手続きに変わっていることが多いからです。

夜間の授乳を減らす前に、体重が順調に増えていて栄養面で準備ができているかを、かかりつけの小児科医に確認してください。おおまかな目安として、生後6か月ごろには離乳食が始まった健康な正期産の赤ちゃんの多くが夜間授乳1回、あるいはゼロでやっていけます。生後9〜12か月になれば、栄養の面から夜の授乳を必要とする子はほとんどいません。ただし安心のための授乳を続けるかどうかは栄養とは別の判断で、トレーニングを始める前に決着させる必要はありません。

一緒に進めるときのやり方はいくつかあります。5〜7日かけて夜間授乳の時間や量を少しずつ減らす方法(母乳でもミルクでも使えます)、最後の授乳をトレーニング開始前の時間帯に移してうとうとしているうちに飲ませてしまう方法、そして選んだ方法の開始と同時に夜間授乳をやめる方法です。どれが合うかは月齢、体重の増え方、これまでの授乳の経過、親自身の希望によって変わります。具体的な計画は始める前に小児科医と相談してください。

母乳育児中の方にはもう一点、実務的な注意があります。夜間授乳を急にやめると乳腺炎やうっ滞のリスクが上がります。量は段階的に減らし、張って苦しいときは楽になる程度に搾る(からにしない)ようにしてください。しこりが痛む、赤くなる、熱が出るといった場合は、朝を待たずに助産師や医療機関に相談しましょう。産後ケア事業や地域の母乳相談も利用できます。

よくある質問

何か月から始められますか。

生後3〜4か月より前は体内時計も睡眠の構造も胃の容量も未熟で、行動的な働きかけは効きません。この時期に何度も目を覚ますのは生物学的に正常なことです。やさしい方法を始められる最も早い時期が生後4〜6か月、消去法にもとづく方法の裏づけがいちばん強くなるのが生後6か月以降です。早産児は修正月齢、つまり出産予定日から数えた月齢で判断します。始める前に、かかりつけの小児科医に成長曲線に沿っているか、逆流や中耳炎、貧血など睡眠を妨げる状態がないかを見てもらってください。ちょうど4か月児健診の時期にあたるので、その場で相談するのが現実的です。なお日本では添い寝が当たり前の育て方で、必ず取り組まなければならないものではありません。

ファーバー法は安全ですか。心に傷が残ることはありませんか。

複数の無作為化比較試験と追跡調査では、段階的消去法を受けた赤ちゃんは対照群と比べてコルチゾール値にも愛着の安定性にも行動面にも差がなく、追跡期間は2か月後から5年後までさまざまでした。ただしこれは本来の形、つまり数分の待ち時間、大人が定期的に顔を見せること、健康な赤ちゃん、安全な寝床という条件での話であって、夜通し放っておくことではありません。日本では「泣かせる方法」の一言でまとめられ、中身を知られないまま敬遠されがちです。そのうえで正直に言えば、感情的にどうしても受け入れられないなら、それは選ばない十分な理由になります。2日目でやめてしまう方法は、赤ちゃんにも親にも役に立ちません。

ファーバー法と完全消去法はどう違いますか。

違いは大人が部屋に戻るかどうかです。ファーバー法(段階的消去法・タイムメソッド)では3分、5分、10分と決めた時間だけ待ってから戻り、1〜2分以内で切り上げます。静かに声をかけ、軽くとんとんする程度にとどめ、抱き上げません。完全消去法では途中の様子見が一切なく、寝床に置いたら朝まで、あるいはあらかじめ決めた授乳の時刻まで戻りません。完全消去法のほうが早く、多くは3〜7日で落ち着きますが、最初の1〜2晩の泣きはどの方法より長くなります。意外なようですが、大人が顔を出すたびに落ち着くどころか興奮してしまうタイプの子では、1週間の総量では完全消去法のほうが泣きが少なくなることもあります。添い寝が一般的な日本で完全消去法まで行う家庭は、実際にはごく少数です。

「ねんねトレーニングができた」とは具体的にどういう状態ですか。

起きている状態で寝床に置かれ、授乳や抱っこでのゆらゆら、おしゃぶりに頼らずに自分で眠りに入れることです。もう半分は、90〜120分ごとに訪れる睡眠のサイクルの切れ目で眠りが浅くなったときに、大人を呼ばずにそのまままた眠りに戻れること。これは「朝まで一度も目を覚まさない」という意味ではありません。歯が生えるとき、風邪のとき、生後8〜9か月ごろに見えなくても存在は続いていると理解し始めるとき、帰省や保育園の開始の直後には、いったんできていた子でも一時的に後戻りします。落ち着いた数晩、それまでと同じ対応を続ければたいてい元に戻ります。

ねんねトレーニングをすると夜間授乳はやめることになりますか。

いいえ、別のことです。1〜2回の適切な夜間授乳を続けたまま自分で眠りに入れるようになる赤ちゃんもいますし、逆に、形式ばったトレーニングをせずに夜間断乳だけを進めることもできます。おおまかな目安として、離乳食が始まった健康な正期産の赤ちゃんの多くは生後6か月ごろに夜間授乳1回、あるいはゼロでやっていけ、生後9〜12か月になれば栄養の面から夜の授乳を必要とする子はほとんどいません。ただし体重の増え方はかかりつけの小児科医に確認してください。安心のための授乳を続けるかどうかは栄養とは別の判断で、家庭が決めることです。母乳の方は、急にやめると乳腺炎やうっ滞のリスクが上がるので、5〜7日かけて段階的に減らしてください。

フェイドアウト法(椅子法)とはどんな方法ですか。

入眠のときに親がそばにいる状態を保ちながら、その存在を計画的に薄めていく方法です。よく知られているのが椅子法で、初日は寝床のすぐ横に椅子を置いて座り、静かな声かけと軽いとんとん程度の関わりにとどめて抱き上げません。2〜3日ごとに椅子を部屋の中ほど、次に戸口、最後は部屋の外へと遠ざけていきます。関連する方法が就寝時刻の調整で、眠気のサインがはっきり出るまで寝かしつけを少し後ろにずらして寝つきを早くし、そのあと少しずつ本来の時間に戻します。泣きは少なくて済みますが、1〜2週間ではなく2〜4週間かかります。日本の家庭では、布団を並べたまま、まず授乳での寝かしつけをやめ、次にとんとんをやめ、最後に手を離す、という順序に置き換えると進めやすいはずです。

部屋を出たとたんに泣き出します。これは普通ですか。

最初の数晩、とくに生後8〜9か月ごろにはよくあることです。姿が見えなくても親は存在し続けると理解し始める時期で、部屋を出たとたんの泣きは習慣が変わったことへの抗議であって、何かが起きた合図ではありません。痛みや強い不安の泣き方とは区別できます。抗議の泣きは波のように強まっては弱まりますが、痛みの泣きは調子が違い、弱まっていきません。睡眠のサイクルの切れ目にうなったりぐずったりするのは正常で、大人が刺激しなければ2〜3分で自分で落ち着くこともよくあるので、入るかどうかを決める前に数分の余裕を持ちましょう。ただし、何晩も続けて45〜60分以上まったく弱まらない泣きが続くなら、その子にその方法は合っていません。やり方を変え、かかりつけの小児科医に相談してください。

逆流や持病がある赤ちゃんでもねんねトレーニングはできますか。

治療が先で、トレーニングはそのあとです。未治療の逆流、中耳炎、牛乳アレルギー、貧血、いびきや睡眠時無呼吸は、それ自体が夜中に目を覚ます原因であり、行動的な方法では手が届きません。この状態で押し切っても泣きが増えるだけで結果は出ません。まずはかかりつけの小児科医に、体重の増え方や耳の状態を見てもらい、必要なら耳鼻科など専門の医師を紹介してもらってください。乳幼児健診の場や地域の保健センター、子育て世代包括支援センターの育児相談でも「眠れていない」ことをそのまま相談してかまいません。医師の確認が取れたら、待ち時間方式のような負荷の高いやり方ではなく、椅子法や就寝時刻の調整といったやさしい方法を、期間を長めに見込んで進めるのが普通です。痛みのある赤ちゃんは、どんな方法でも自分を落ち着かせる練習ができません。

抱き上げ下ろし法は効果がありますか。

効果はありますが、生後3〜5か月という狭い時期に限られます。起きている赤ちゃんを寝床に置き、泣いたら抱き上げ、落ち着いたらまた置く。これを腕の中ではなく寝床の上で眠りに落ちるまで繰り返し、最終的に眠りに入る場所だけを移していきます。生後5〜6か月を過ぎると、繰り返し抱き上げられることが慰めではなく「ごほうび」や刺激として働き始め、何時間も抱いたり置いたりを繰り返す寝かしつけになりがちです。短いファーバー法より親子とも消耗した、という報告がよく聞かれます。柵越しに何十回もかがむ動作が、腰痛のある方や帝王切開後の方にはかなりこたえる点も見ておいてください。考案者自身も、効果が出なくなったら方法を切り替えるよう助言していました。

どのくらいの期間がかかりますか。

消去法にもとづく方法では3〜7晩ではっきりした変化が出て、いちばんつらいのは最初の2晩です。多くの家庭が2日目か3日目、つまり改善が始まる直前で投げ出してしまうので、効いているかどうかを判断するには最低でも5〜7晩は続けてください。椅子法、就寝時刻の調整、入眠の助けを少しずつ外していくやさしい方法は2〜4週間が目安です。どちらの場合も後戻りは起こります。歯が生えるとき、風邪、引っ越し、帰省、保育園の開始などで一時的に戻りますが、たいていは数晩、それまでと同じ対応を続ければ落ち着きます。同じ方法を2週間きちんと続けてまったく変化がないなら、根気が足りないのではありません。かかりつけの小児科医に相談してください。

ホワイトノイズは役に立ちますか。

役に立ちます。上の階の足音、扉の開閉、道路や隣の部屋の音といった、睡眠のサイクルの切れ目で赤ちゃんを起こしてしまう物音を覆い隠してくれるからです。使い方は単純で、機器は寝床のすぐ横ではなくできるだけ離れた場所に置き、音量は静かな会話くらいまでにとどめ、最初の10分だけでなく眠っている間ずっと流し続けます。途中で切れると、その静けさ自体が目覚めの合図になってしまうためです。ただしこれは暗い部屋や室温20〜22℃と同じく睡眠環境を整える工夫であって、トレーニングそのものではありません。音を流すだけで、抱っこなしに眠れるようになるわけではない点は押さえておいてください。

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