睡眠

年齢別の子どもに必要な睡眠時間は?

NSFとAAPの年齢別睡眠時間の推奨量、睡眠不足のサイン、そして子どもが本当に十分眠れているかを見極める方法。

監修: Whispie 編集チーム エビデンスに基づく育児リサーチ

公開日:

この記事は一般的な情報提供を目的としており、専門的な医学的助言に代わるものではありません。お子さまについては必ず小児科医にご相談ください。

出典:WHO・CDC・AAP・NHS。推奨は国によって異なります。日本については日本小児科学会をご確認ください。

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睡眠は贅沢品ではなく、生物学的に必要なもの

多くの親は、睡眠を学校や習い事の合間に「詰め込むもの」として扱いがちですが、この考え方は逆効果です。眠っている間、脳はその日に学んだ情報を短期記憶から長期記憶へと移し替えています。成長ホルモンは主に入眠後の最初の1〜2時間に分泌され、身体の発達を支えます。免疫系はこの時間に修復され、日中に脳内にたまった老廃物も排出されます。

つまり睡眠は、発達そのものが起きている時間です。長い一日を終えたごほうびではなく、それ以外のすべてを支える土台です。よく眠れている子どもは学習能力が高く、問題行動が少なく、感情の調整も上手で、全体的に健康です。

科学的根拠:NSFとAAPによる年齢別睡眠時間の推奨

National Sleep Foundation(NSF)とAmerican Academy of Pediatrics(AAP)は、子どもの発達と睡眠生理学に関する数十年の研究をもとに、以下の推奨睡眠時間を示しています。

新生児(0〜3ヶ月)

24時間で14〜17時間、昼夜に分散

睡眠はまだまとまっておらず、2〜4時間の短い区切りで眠ります。

乳児(4〜11ヶ月)

12〜15時間(昼寝を含む)

夜の睡眠がまとまり始め、日中は2〜3回の昼寝が一般的です。

幼児(1〜2歳)

11〜14時間

目安として夜10〜12時間、昼寝1〜2回で合計2〜3時間です。

就学前(3〜5歳)

10〜13時間

目安として夜10〜11時間、任意で1時間程度の昼寝です。

学齢期(6〜12歳)

9〜12時間

すべて夜の睡眠でまかない、昼寝は想定されません。

思春期(13〜18歳)

8〜10時間

必要量は減りませんが、サーカディアンリズムが後ろにずれ、始業が早いと睡眠不足になりがちです。

補足:これらは正常な個人差を反映した幅であり、絶対的な基準ではありません。上でふれた成長ホルモンは主に入眠後の最初の1〜2時間に分泌されるため、就寝時刻を安定させることには見た目以上の意味があります。

この表の数字は世界共通の生理的な必要量であり、何時に寝るべきかという時刻を示すものではありません。国際比較では、日本の子どもは就寝時刻が遅い傾向があると報告されていますが、これは家庭の努力不足ではなく、共働き世帯の帰宅時間や保育園・幼稚園の送迎時間など複数の要因が重なった結果です。夜だけを見て焦らず、保育園や幼稚園でのお昼寝と朝の起床時刻まで含めた1日の合計で、上の表の時間に届いているかを見てください。

年齢によって変わる睡眠の構造

睡眠の内部構造は発達とともに変化し、これが年齢ごとの必要睡眠時間の違いを説明します。

この変化が、新生児がより多くの睡眠を必要とする理由の一部であり、乳児がまとまった夜間の睡眠区間を取れるようになる理由でもあります。

睡眠不足が子どもに与える深刻な影響

睡眠不足の子どもは、単に「少し疲れている」だけではありません。研究は、慢性的な睡眠不足が認知面、行動面、身体面に深刻な影響を及ぼすことを一貫して示しています。

認知面への影響

情緒面・行動面への影響

身体的健康への影響

個人差:すべての子どもが同じではない

これらの目安は信頼できるものですが、個人差は確かに存在します。周りの7歳児が10時間眠るところ、8時間で足りる子もいれば、平均より多く必要な子もいます。主な要因は次のとおりです。

見分け方はシンプルです。睡眠時間が推奨範囲の下限かそれ以下であれば、行動面と認知面の様子を確認してください。学校で集中できていますか。機嫌は安定していますか。健康状態は良好ですか。すべて問題なければ、その子はもともと睡眠時間が短めのタイプかもしれません。そうでなければ、少しずつ睡眠時間を増やして様子を見てみましょう。

お子さんは十分眠れていますか?行動面のサイン

時間数だけにこだわるより、次の行動面のサインのほうが睡眠が足りているかの信頼できる目安になります。

これらの大半に「はい」と答えられるなら、実際の睡眠時間が推奨範囲の下限に近くても、お子さんはおそらく十分眠れています。何時間という数字より、日々の様子のほうが重要です。

睡眠を最優先事項として守る方法

忙しい毎日の中で、睡眠は真っ先に犠牲になりがちです。しかし睡眠を守ることこそが、学業成績、行動、機嫌、健康のすべてを底上げします。

よくある質問

子どもが多動に見えるが、実は睡眠不足かもしれない——どう見分けますか?

睡眠不足の子どもはしばしば疲れているのではなく多動に見えます。子どもの疲労は集中困難、感情的な爆発、速い動き、じっとしていられないとして現れます——ADHDとよく似ています。テスト:1〜2週間かけて徐々に睡眠を増やし(就寝時間を早める)、行動の変化を観察する。

なぜ一部の子どもは他の子よりも少ない睡眠で良いのですか?

睡眠ニーズは遺伝的変異、気質、活動レベル、サーカディアンリズムの違いによって異なります。NSFとAAPが示す範囲は通常の変異を考慮していますが、個々の子どもがこれらの範囲外に当たることもあります。

子どもは週末に睡眠を補えますか?

部分的には。週末により長く眠ることで不足を部分的に補えますが、慢性的な週間睡眠不足を週末の補充で対処すべきではありません。睡眠の一貫性(毎日同じスケジュール)は、脳機能、気分、学習において時々の長い睡眠よりも重要です。

子どもは十分眠れていますか?行動指標

時間数より信頼できる指標:自然に目覚めますか(目覚まし時計や親の助けなし)?昼間元気ですか?気分は安定していますか?学習はうまくいっていますか?身体的健康は良いですか?はいなら、睡眠はおそらく十分です。

国際比較で日本の子どもは就寝時刻が遅いと聞きました。うちの子も21時就寝ですが、問題でしょうか?

数字だけでは判断できません。表の睡眠時間はあくまで24時間の合計であり、何時に寝るかという時刻そのものではないからです。21時就寝でも、保育園や幼稚園でのお昼寝と朝の起床時刻を含めて年齢ごとの推奨時間に届いていて、日中元気に過ごせているなら心配はいりません。逆に、お昼寝が少ない、あるいはすでに卒業している年齢なのに21時就寝で合計時間が推奨の下限を下回っているなら、就寝時刻を見直す価値があります。

保育園のお昼寝が長い日は、家での就寝時刻を遅らせても大丈夫ですか?

お昼寝がしっかり取れている日は、多少の夜更かしがあっても1日の総睡眠時間はそれほど崩れないことがあります。ただし、これを毎日の習慣にするのはおすすめできません。保育園のお昼寝の長さは日によって変動し、親がコントロールできないためです。基本の就寝時刻は年齢の推奨時間から逆算した時刻に保ち、お昼寝が長かった日はその日の子どもの機嫌や翌朝の様子を見て、必要なら柔軟に調整する程度にとどめましょう。

就学前にお昼寝がなくなると、1日の睡眠時間が推奨範囲を下回ってしまいます。夜の睡眠だけで補うべきですか?

はい、お昼寝がなくなる時期は、その分を夜の睡眠でどう補うかを意識的に考える必要があります。3〜5歳の推奨時間は夜10〜11時間に任意の1時間程度の昼寝を加えた範囲なので、昼寝がなくなった分だけ単純に夜を1時間前後早める計算になります。切り替えの最初の数週間は特に疲れが出やすいため、無理に予定を詰め込まず、就寝時刻を早めに固定して様子を見てください。

共働きで帰宅が遅く、どうしても夕食やお風呂の時間が後ろ倒しになります。それでも推奨の睡眠時間は目指すべきですか?

目指す価値はありますが、完璧を求めすぎないことも大切です。帰宅時間そのものを大きく変えるのは難しくても、お風呂や食事の順番を入れ替える、就寝ルーティンを簡略化して10〜15分に短縮するなど、就寝時刻を少しでも早める工夫はできます。数字上の理想時間に届かない日が続いても、お子さんが朝自分で機嫌よく起きられているなら、その子にとっての睡眠は大きく不足していない可能性が高いです。

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