睡眠
12ヶ月の夜泣き・睡眠退行:1歳前後で眠りが乱れる理由と、できること
生後12ヶ月(1歳)で夜泣きがひどい、夜中に何度も起きる。「睡眠退行」と呼ばれる時期とは何か、重なりやすい発達の変化、AAP・NHS・CDC・厚生労働省の情報に基づく対処のヒントをまとめました。
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この記事は一般的な情報提供を目的としており、専門的な医学的助言に代わるものではありません。お子さまについては必ず小児科医にご相談ください。
出典:WHO・CDC・AAP・NHS。推奨は国によって異なります。日本については日本小児科学会をご確認ください。
「12ヶ月の睡眠退行」とは?
「睡眠退行」は医学用語でも診断名でもありません。それまである程度眠れていた赤ちゃんが、急に夜中に起きる回数が増えたり、寝つきが悪くなったり、昼寝を嫌がったりする時期を、保護者が呼ぶ言葉です。日本では、夜の泣きや夜中の目覚めを「夜泣き」と呼ぶことが多く、この記事では両方の言葉を扱います。この記事のために、米国小児科学会(AAP、HealthyChildren)、英国のNHS、米国疾病予防管理センター(CDC)、そして厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の該当ページを読みました。いずれも、「12ヶ月の睡眠退行」に決まった始まりや決まった長さがあるとは書いていません。そのため、ここに「○週間」という数字はありません。各情報源がこの月齢について実際に述べていることだけをまとめます。
12ヶ月(1歳)の赤ちゃんの睡眠が乱れる理由
1歳の誕生日の前後は、多くのことが同時に起こります。情報源が挙げているのは次の点です。
- 新しい体の動き:CDCの1歳の目安には、つかまり立ち、家具につかまっての伝い歩き、小さなものを親指と人さし指でつまむ、が入っています。
- 頭の中の新しいこと:CDCによると、1歳の子どもは、隠されたもの(毛布の下のおもちゃなど)を探し、バイバイと手を振り、親を「ママ」「パパ」などの特別な名前で呼び、「だめ」の意味がわかります。9か月の時点では、視界から落ちたものを探すとCDCは述べています。
- 分離不安:AAPによると、分離不安は生後1年の後半から、眠りが何晩も乱れる原因になることがあります。子どもは何度も目を覚まし、片方または両方の親を不安そうに泣いて呼び、どちらか一方を強く求めることもあります。AAPは、たいてい2歳の誕生日のころまでに落ち着いていくとしています。
- 歯と空腹:NHSは、歯が生える痛みや空腹が眠りを妨げることがあり、成長のスパートや病気も影響すると述べています。
このうちどれが、いまのお子さんの原因なのかは、外からはわかりません。発達の段階が眠りを直接乱すことは今回確認した情報源には書かれておらず、多くの保護者の実感として語られているものです。
12ヶ月で夜中に何度も起きるのは普通?
英国NHS系の6〜12か月向けリーフレットは、9〜12か月の赤ちゃんが1日に最大13〜14時間眠ることがあり、夜中の授乳でまだ起きるのはよくあることだと述べています。1歳の誕生日以降について、NHSは1日合計で12〜15時間ほどとしていますが、その時間が夜と昼にどう配分されるかは、子どもによって違います。
一晩だけ眠りが悪くても、それは「睡眠退行」とは言えません。数日にわたって眠りが目に見えて変わり、機嫌や一日のリズムにも影響しているなら、気に留めておく価値があります。
12ヶ月の睡眠退行はいつまで続く?
信頼できる数字はありません。今回確認した情報源のどれにも書かれていないからです。記録されているのは次のことです。AAPは、分離不安の時期は数か月続くことがあり、たいてい2歳の誕生日のころまでに落ち着いていくこと、その間、子どもは何晩も続けて、一晩に何度も安心させてもらう必要があるかもしれないことを述べています。これは「睡眠退行」についての記述ではありませんが、気長に付き合う必要があることを示しています。眠りの悪い状態が長く続くときや心配なときは、日付を待たずにかかりつけの小児科医に相談してください。
眠りが悪いとき、まず確認したいこと
睡眠退行を疑う前に、情報源が挙げている単純な原因を見直してみてください。
- 空腹:NHSによると、赤ちゃんはおなかがすいて夜中に目を覚ますことがあります。
- 室温:NHSは、暑すぎたり寒すぎたりしても眠りが妨げられると述べています。
- 歯の痛みや病気:歯が生えるときの痛みや病気も眠りに影響します(NHS)。
- 環境や日課の変化:NHS系のリーフレットは、旅行や引っ越し、預け先の変更、保護者の仕事復帰、自分の部屋への移行(6ヶ月から)なども睡眠に影響しうるとしています。
- 生活リズム:起きている時間の長さや就寝前の過ごし方が、今の月齢に合っているかも見直せます。詳しくは下の項目で。
これらに当てはまらず、数日にわたって眠りが悪い状態が続くなら、次の一歩は小児科医への相談です。
12ヶ月の夜泣き・睡眠退行にできること
- 同じ就寝ルーティン:NHSは、お風呂、パジャマ、絵本、部屋を暗めにする、おやすみのキスとハグ、といった簡単で落ち着ける就寝の流れを勧めています。子どもが大きくなっても、似た流れを続けると役に立ち、寝る直前の興奮や刺激が多すぎると、また目が覚めてしまうことがあると述べています。
- 夜は静かに:NHSは、夜は明かりを低く、あまり話さず静かな声で、必要がなければおむつも替えず、遊ばずに過ごすよう述べています。厚生労働省の睡眠ガイドも、夜中に部屋を明るくしたり動き回ったりすると再び寝つくのに時間がかかることがあるため、照明を使う場合は明るさを落とすよう述べています。
- 「さよなら」の練習:AAPは、離れるときは淡々と伝え、短い気晴らしを用意して、すばやく立ち去るよう勧めています。離れることが決まった日課の一部になっていると、子どもは受け入れやすくなります。
- 起きている時間を見直す:睡眠と睡眠の間隔が、お子さんの一日に合っているか確認しましょう。月齢別の目安は生後12ヶ月の睡眠スケジュールをご覧ください。
- 記録をつける:数日間、睡眠、食事、おむつを書き留めると、パターンが見えてきて、小児科医に相談するときにも役立ちます。
生後1年のあいだは、睡眠は「あおむけ」「平らな面」「赤ちゃん専用の寝る場所」が基本です(AAP)。厚生労働省の睡眠ガイドも、寝返りが自分でできるようになる1歳頃までは、柔らかすぎる寝具を避けるよう述べています。
小児科に相談したほうがよいとき
心配なときは、いつでも小児科医に相談してください。情報源が挙げている具体的な目安は次のとおりです。
- AAPは、夜中に起きる場合の相談の目安として、体重が順調に増えていない、授乳・ミルクが十分にできていない、おしっこやうんちの様子がいつもと明らかに違う、といった点を挙げています。
- NHSは、赤ちゃんの眠りに問題があるときや、日課について助言がほしいときは、相談するよう述べています。
前後の時期
前後の時期については、9ヶ月の睡眠退行と18ヶ月の睡眠退行をご覧ください。すべての月齢を一覧で見たいときは、睡眠退行の完全ガイドへ。
よくある質問
12ヶ月の睡眠退行は病気ですか?
いいえ。「睡眠退行」は医学用語でも診断名でもありません。それまで眠れていた赤ちゃんが、急に以前より眠れなくなったように見える時期を、保護者が呼ぶ言葉です。この言葉の背後に、はっきり確立した一つの状態があるわけではありません。
12ヶ月ごろの眠りの悪さは、歩き始めと関係がありますか?
時期は重なります。CDCの1歳の目安には、つかまり立ちや、家具につかまっての伝い歩きなどが入っています。ただし、こうした発達が眠りを乱すことは、今回確認した情報源には書かれていません。多くの保護者が実感していることであって、確立した原因ではありません。
1歳を過ぎると、どれくらい眠る必要がありますか?
NHSは、1歳の誕生日以降は1日に合計で12〜15時間ほどとしています。厚生労働省のe-ヘルスネットは、米国睡眠医学会が1〜2歳児に勧める睡眠時間として11〜14時間を紹介しています。子どもによって違いますので、眠りが足りているか心配なときは、小児科医に相談してください。
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