ベビーケア

赤ちゃんの発達追跡:マイルストーンを系統的にモニタリングする方法

赤ちゃんの発達マイルストーンを系統的に追跡する方法、受診に持参すべきもの、専門家の助けを求めるべき時について。

監修: Whispie 編集チーム エビデンスに基づく育児リサーチ

公開日:

この記事は一般的な情報提供を目的としており、専門的な医学的助言に代わるものではありません。お子さまについては必ず小児科医にご相談ください。

出典:WHO・CDC・AAP・NHS。推奨は国によって異なります。日本については日本小児科学会をご確認ください。

リサーチと監修の方針 →

発達を見ていくことに意味がある理由

お子さんの脳が、いまほど速く育つ時期は二度と来ません。二歳までに大人の体積のおよそ80%に達し、ことば、感覚の処理、体の協調、感情の立て直しにかかわる神経回路が、あとでは望めない速さで組み上がっていきます。早い時期の支援がもっとも報われるのは、この窓が開いているあいだです。18か月で支えを得た子は、同じ子が四歳で支えを得た場合より明らかに先へ進みます。脳がまだいちばんしなやかだからです。だからこそ乳幼児期の発達の見守りには意味があります。不安をあおるためではなく、支援を必要とする家庭が、窓のいちばん広いうちにそこへ届くためです。

ここに挙げる目安は、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)が2004年に始め、2022年にアメリカ小児科学会と組んで大きく見直した早期発見の枠組みに沿っています。この見直しには臨床上重要な変更がありました。各月齢で少なくとも75%の子どもができることを載せる形に改め、以前の幅の広い「範囲」の書き方をやめたのです。幅の下端にいる子どもは、以前なら三歳や四歳になるまで専門機関につながらないことが多くありました。目安を絞ったのは、支援がもっとも効く時期にその子たちを見つけるための意図的な変更です。

見守ることは、せかすことではありません。自分の歩みで育っている子に、訓練も特訓も要りません。見守りが与えてくれるのは基準点です。何かが動いたとき、何年もではなく数週間で気づけて、漠然とした心配ではなく具体的な観察を持って診察室に入れるようになります。

月齢ごとの目安:誕生から6か月

最初の半年は、感覚の目覚め、初めての社会的なつながり、そして意図した動きの芽生えが中心です。日本ではこの時期に、多くの自治体で3〜4か月児健診が行われ、結果は母子健康手帳に記録されます。

2か月

2か月で、抱いても落ち着かない、笑い返さない、大きな音に反応しない、手足の動きが左右で対称でない場合は、小児科に相談してください。

4か月

6か月

6か月の重要な注意点:ものに手を伸ばさず、音にも反応しない場合、聴こえや見え方の問題が隠れていることがあります。これは様子を見るのではなく、早めに調べる場面です。

月齢ごとの目安:9か月から12か月

9か月から12か月にかけて、一年でいちばん大きな認知の跳躍が起こります。ものの永続性が働きはじめ、毛布の下に隠したおもちゃがまだあることを理解して、探すようになります。指さし、手を振る、身ぶりといった意図的な伝え合いも現れます。多くの自治体では、この時期に9〜10か月児健診があります。

9か月

12か月

一歳前後で、M-CHAT の項目に触れる医師もいますが、正式な検査は18か月と24か月で行うことがすすめられています。

目安:15か月から24か月

二年目は、ことばが出てきて、ごっこ遊びが始まり、ほかの子との最初の本当の関係が生まれる時期です。見守りの密度もいちばん高くなります。日本では母子保健法にもとづく1歳6か月児健診が全市町村で行われ、国際的には18か月と24か月に自閉スペクトラム症に特化した M-CHAT-R/F の実施がすすめられています。

15か月

18か月

18か月時点の M-CHAT-R/F は国際的に標準の手順です。質問票は5〜10分で終わり、共同注意、指さし、名前への反応、ごっこ遊び、ほかの子への関心に焦点を当てます。いずれも自閉スペクトラム症に関連する、社会的コミュニケーションの早期の指標です。陽性となった場合は確認のための面接と、詳しい評価への紹介につながります。診断ではありません。

24か月

24か月になると、標準化された検査で自閉スペクトラム症に関連する困難がより見分けやすくなります。陽性であれば、診断が確定するのを待たずに児童発達支援センターや発達障害者支援センターへの相談を始めることがすすめられます。支援をすぐに開始できるようにするためです。

自閉スペクトラム症の検査 M-CHAT:保護者が知っておきたいこと

M-CHAT-R/F(乳幼児期自閉症チェックリスト修正版・追跡調査付き)は、世界の小児プライマリケアでもっとも広く使われている自閉スペクトラム症のスクリーニング用具です。16か月から30か月での使用について妥当性が確かめられており、臨床目的では無償で利用できます。18か月と24か月での実施がすすめられています。

質問票は保護者が答える「はい/いいえ」20問からなり、次の領域の行動をみます。

中等度リスクの項目に3つ以上、あるいは重要項目に2つ以上該当した子どもは、あいまいな回答を確かめる構造化された追跡面接に進みます。陽性は診断ではありません。最初の質問票で陽性となった子どものおよそ半数は、その後に自閉スペクトラム症と診断されません。ただし多くは、ことばの遅れ、感覚の受け取り方の違い、注意の困難など、ほかの発達上の課題を抱えており、それらも早期の評価が助けになります。

陽性だった場合、診断の予約を待たずに、児童発達支援や言語聴覚士の支援を同時に求めてかまいません。診断までの待機が長いことは少なくないので、支援の開始をそこに合わせる必要はありません。

発達の四つの領域

どの目安の体系も、できることを四つの領域に整理しています。それぞれが何を含むかを知っておくと、観察がぐっと意味を持ちます。

1. 社会性と情緒の発達

この領域は、子どもがほかの人とどう関わり、自分の気持ちをどう扱うかを扱います。社会的な微笑、愛着の行動(慣れた大人に慰めを求める)、人見知りや後追い、共同注意(あなたの見るほうを見て、視線や指さしで関心を分かち合う)、そして初期の思いやりが含まれます。この領域はことばの発達と深く結びついています。最初の二年の伝え合いは、そもそも社会的なものだからです。自閉スペクトラム症の検査で臨床的にもっとも重い指標になるのも、この領域の乱れです。

2. ことばと伝え合い

ことばの育ちには二つの流れがあります。受け取ることば(言葉や指示を理解する)と出すことば(語や身ぶり、文をつくる)です。一年目は受け取るほうがはるかに先を行きます。10か月の子は、認識できる一語を出す前に「だめ」「ばいばい」や自分の名前を理解していることがよくあります。そのため早期の検査では、出すことばだけの遅れよりも、受け取ることばのつまずきのほうが重くみられます。ことば以前の伝え合い ── 視線、指さし、共同注意、喃語での順番のやりとり ── は、一年目の語数よりも、のちのことばの育ちをよく予測します。

3. 認知の発達

この領域は、学び、問題解決、記憶、そして象徴の理解を扱います。早い時期の主な目安は、目で追うこと(2か月)、ものの永続性(8〜12か月)、手段と目的の理解(目的のために道具を使う、12か月ごろ)、象徴遊び(あるものを別のものに見立てる、18か月ごろ)、そして初期の仲間分けや並べ替え(18〜24か月)です。認知とことばは強く絡み合っています。象徴的に考える力が、ごっこ遊びと語の習得の両方を支えているからです。

4. 運動の発達

運動は粗大運動(大きな筋肉の動き:寝返り、座る、はう、歩く、走る)と微細運動(小さな筋肉の精度:つかむ、指先でつまむ、食べる、描く)に分かれます。粗大運動は正常の幅がいちばん広く、健康な子が9か月で歩くことも17か月で歩くこともあります。微細運動は時期がより揃いやすく、認知の発達との結びつきも強くなります。どの運動領域であれ後戻りが見られたとき、とくに筋の張りの変化を伴うときは、早めに神経学的な評価を受けてください。

小児科に連絡すべきとき:年齢別の注意サイン

これらは診断の基準ではなく、その週のうちに小児科へ連絡する目安です。一点だけ、あいまいさのない指針があります。年齢を問わず、いったんできていたことができなくなった場合は、次の健診を待たず、その日のうちに相談してください。以下の多くは、専門外来の順番を待つより先に、児童発達支援の相談につなぐ理由にもなります。

注意サイン:0〜6か月

注意サイン:6〜12か月

注意サイン:12〜24か月

検査が陽性だったり、健診で医師が気になる点を挙げたりした場合は、専門機関への紹介と同時に、市区町村の保健センターや児童発達支援センターへの相談も進めてください。相談や発達の評価を始めるのに、確定した診断は必要ありません。

乳幼児健診と発達のスクリーニング

日本では母子保健法により、1歳6か月児健診3歳児健診がすべての市町村で実施されます。多くの自治体はこれに加えて、3〜4か月児健診と9〜10か月児健診を行っています。いずれの回でも発達が確認され、結果は母子健康手帳に記録されます。公費で実施されるため、家庭の自己負担は原則ありません。

医師の診察に加えて、標準化された質問票が使われます。

二つの違いは大切です。スクリーニングは点数の出る妥当性の確かめられた質問票であり、日々の見守りは、毎回の受診で保護者の心配を聞き、子どもを観察し、経過を確認していく継続的な営みです。両方が要ります。スクリーニングだけでは決められた月齢の隙間に落ちる子を見落とし、見守りだけでは標準化が足りず、わずかな遅れを安定して拾えません。

健診で心配を伝えて「もう少し様子を見ましょう」と言われたとき、食い下がってかまいません。保護者の心配は、発達の遅れを示すもっとも感度の高い早期の手がかりのひとつであり、安心の言葉と次回の予約ではなく、何かの行動につながるべきものです。三歳までのどの時点でも、児童発達支援、言語聴覚士、小児神経の専門医への相談を求めることができます。

家庭で発達を記録する

よく見るために、臨床の訓練は要りません。要るのは、続けて、興味を持って見ることと、見たものを残す手立てです。健診と健診のあいだに使える実際的なやり方を挙げます。

記録アプリを使う

妥当性の確かめられたチェックリストにもとづくアプリなら、月齢ごとの目安が並んでおり、見られたことを日付とともに記録し、写真や動画を添え、診察に持っていく要約を作れます。記憶や、知り合いの子との何となくの比べ合いより、ずっと当てになります。

大事な場面を動画で残す

短い動画は臨床的にきわめて役立ちます。指さしのしかた、名前への反応、視線の合い方が写った30秒は、どんな言葉の説明よりも多くを医師に伝えます。医師がいちばん見たい行動ほど、診察室では指示されても出ないものです。動きの質 ── 硬さ、左右差、変わった歩き方 ── についての心配なら、家での日常の動きを撮った映像がとくに役立ちます。

後戻りはすぐ書き留める

できていたことが失われたとき ── しっかり言えていた語が消えた、社会的な微笑が出なくなった、歩き方が変わった ── は、日付と具体的な様子を書き留めてください。後戻りは遅れよりも臨床的に重く受け止められます。単に育ちがゆっくりなのではなく、何かが進行していることを示すからです。次の健診を待たないでください。

健診には書いた質問リストを持っていく

健診の時間は短く、診察、予防接種、説明を含めて15〜20分ほどです。具体的な観察や質問を3つから5つ、紙に書いて持っていくと、決まった流れに押し流されずに自分の気がかりを扱ってもらえます。心配は観察の形で伝えてください。「発達が心配です」より、「私が指さしても、そちらを見ないようです」のほうが動きにつながります。

早産・修正月齢と目安の調整

妊娠37週より前に生まれた赤ちゃんの発達は、修正月齢で評価します。暦の上の月齢から、早く生まれた週数を差し引いて計算します。たとえば8週早く生まれ、暦では6か月の赤ちゃんは修正月齢4か月であり、4か月の目安と比べます。

修正はふつう24か月まで行い、きわめて早い週数(28週未満)で生まれた場合や新生児期の経過が複雑だった場合は、36〜40か月まで続けることもあります。いつ修正をやめるかは、フォローアップの担当チームが判断します。

早産で生まれた子どもは、新生児集中治療室での経過にかかわらず、発達の遅れ、学びの特性、感覚の受け取り方の難しさについて統計的に高いリスクを持ちます。早産児のフォローアップ外来はまさにこの見守りのためにあり、作業療法、言語聴覚療法、定期的な発達の評価を含むことが多くあります。34週より前に生まれた子や、新生児期に大きな治療を要した子には、こうしたフォローアップへの参加が強くすすめられます。

発達を支えると裏づけのあること

早い時期の発達でもっとも変えられる要因は、アプリでも教室でも知育玩具でもありません。世話をする大人とのやりとりの質です。ハーバード大学の子どもの発達研究センターもアメリカ小児科学会も、日々の応答的な関わりこそが、ことばの習得、感情の立て直し、認知の伸びを支える仕組みだと指摘しています。次に挙げるのは、その裏づけに立つ実践です。

よくある質問

どの発達領域を追跡すべきですか?

4つの主要領域:粗大運動(寝返り、座る、立つ、歩く)、微細運動(つかむ、指差し)、言語/コミュニケーション発達、社会的/感情的発達。完全な画像にはすべての4領域が必要です。

マイルストーンはどのくらいの頻度で確認すべきですか?

最初の1年は月1回が理想的です。各マイルストーンがいつ達成されたかを文書化するシンプルな表またはアプリを作成してください。これらの記録を定期健診に持参してください。

見逃したマイルストーンに気づいた場合はどうすればよいですか?

小児科医に相談してください。以前に獲得した能力の喪失(退行)は常に即時の評価が必要な警告サインです。

発達はいつ公式に確認されますか

日本では母子保健法にもとづき、1歳6か月児健診と3歳児健診がすべての市町村で実施されます。多くの自治体はこれに加えて3〜4か月児健診と9〜10か月児健診を行っています。いずれの回でも発達が確認され、結果は母子健康手帳に記録されます。公費で実施されるため、家庭の自己負担は原則ありません。医師の診察に加えて、日本で開発・標準化されたKIDS乳幼児発達スケールなどの質問票が使われることもあります。

M-CHAT とはどんな検査ですか

世界の小児プライマリケアでもっとも広く使われている自閉スペクトラム症のスクリーニングです。16か月から30か月での使用について妥当性が確かめられており、18か月と24か月での実施がすすめられています。保護者が「はい・いいえ」の20問に答え、共同注意、指さし、名前への反応、ごっこ遊び、ほかの子への関心をみます。陽性の場合は確認のための面接と、詳しい評価への紹介につながります。診断ではありません。最初の質問票で陽性となった子どものおよそ半数は、その後に診断されません。

ことばの発達で見ておきたい目安は

9か月でやりとりのある喃語と、自分の名前への反応。12か月で身ぶり ── 手を振る、指さす、首を振る ── と、意味のある語がひとつ。15か月で「まま・ぱぱ」以外に3語、そして身ぶりなしの簡単な指示に従うこと。18か月で日常的に使う語が6語。24か月で二語をつなげること。大切な点があります。ことばの理解は、話すことよりずっと先を行きます。よく分かっているのにあまり話さない子と、指示そのものが入っていない子は別の状況で、後者のほうが重く受け止められます。

社会性と情緒で知っておきたい注意サインは

3か月で社会的な微笑がない。3か月で顔に気づかず目も合わせない。6か月で慣れた大人の声や顔に反応しない。9〜12か月で自分の名前に反応しない。18か月で関心を分かち合うための指さしがない。24か月でほかの子に関心を示さない。自閉スペクトラム症のスクリーニングで臨床的にもっとも重いのはこの領域です。そして年齢を問わず、いったんできていたことができなくなった場合は、その日のうちに相談してください。

発達を追うことで、かえって不安になりませんか

ほかの子との毎日の比べ合いになれば、そうなりえます。使い方を守れば逆に働きます。自分の子がどこにいるか分かれば、推測することをやめられるからです。二つの決まりが助けになります。ひとつ、毎日ではなく月に一度見ること ── 発達は跳ぶように進み、あいだに休みが入ります。ふたつ、比べる相手は四週間前の自分の子で、隣の家の子ではありません。見ること自体が負担になってきたら、それを健診で話してください。

早産で生まれました。この目安は当てはまりますか

当てはまりますが、修正月齢で評価します。暦の上の月齢から、早く生まれた週数を差し引いてください。8週早く生まれ、暦では6か月の赤ちゃんは修正月齢4か月であり、4か月の目安と比べます。修正はふつう24か月まで行い、28週未満で生まれた場合は36〜40か月まで続けることもあります。34週より前に生まれた子には、早産児のフォローアップ外来への参加が強くすすめられます。まさにこの見守りのためにある仕組みです。

見守りとスクリーニングはどう違いますか

スクリーニングは点数の出る、妥当性の確かめられた質問票です。M-CHAT やことばの質問票がそれにあたります。見守りは、毎回の受診で保護者の心配を聞き、子どもを観察し、経過を確認していく継続的な営みです。両方が要ります。スクリーニングだけでは決められた月齢の隙間で変わる子を見落とし、見守りだけでは標準化が足りず、わずかな遅れを安定して拾えません。保護者自身の心配も臨床的な手がかりです。もっとも感度の高い早期のしるしのひとつだと考えられています。

無料ツール: 発達マイルストーンチェックリスト(CDC基準):生後2か月〜5歳

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