栄養・離乳食
生後9ヶ月の赤ちゃんに食べさせたい手づかみ食べレシピ6選
生後9ヶ月の赤ちゃん向け手づかみ食べレシピ。豆腐・軟飯・だし煮野菜など日本の離乳食文化に根ざした食材で、親指と人差し指のつまみ食べ(ピンサーグラスプ)の発達を促します。
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この記事は一般的な情報提供を目的としており、専門的な医学的助言に代わるものではありません。お子さまについては必ず小児科医にご相談ください。
AAP・WHO および日本小児科学会のガイダンスに準拠しています。
離乳後期(9〜11ヶ月)の手づかみ食べとは
生後9ヶ月に入ると、赤ちゃんの食の世界は大きく広がります。厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定)」では、この時期を「離乳後期」と定め、歯ぐきでかみつぶせる固さの食材が食べられるようになる段階と位置づけています。そして何より大きな変化が「ピンサーグラスプ(つまみ食べ)」の発達——親指と人差し指で小さなものをつまむ動作が生後8〜10ヶ月にかけて現れます。
それ以前の離乳中期(7〜8ヶ月)では、手のひら全体で食材をつかむ「パーマーグラスプ」に合わせたスティック状の食材が主流でした。9ヶ月以降はより小さな1cm角以下の形状が手指の発達を促します。指先でものをつまむ練習は、鉛筆を持つ、ボタンをとめる、といった後の微細運動へとつながる大切なステップです。
日本の離乳食文化では、おかゆの段階(10倍粥→7倍粥→5倍粥)で米のやわらかさに慣れてから、手づかみ食べへと移行するのが一般的です。このページで紹介する6つのレシピは、日本の食卓に馴染んだ食材——豆腐、軟飯、だし煮野菜、卵焼きなど——を中心に、日本小児科学会と厚生労働省の指針に沿った形で構成しています。
母乳やミルクは満1歳まで引き続き栄養の柱です。離乳食3回食+おやつへの移行期でもあるこの時期、食材のバリエーションを広げることが、1歳以降の好き嫌いの少なさにつながるとする研究(Northumbria大学・ALSPACコホートほか)も報告されています。焦らず、楽しみながら進めていきましょう。
日本の離乳食の基本:おかゆの段階と離乳後期への移行
日本の離乳食は「お粥」を主食の軸に段階的に進めるのが特徴です。
- 10倍粥(離乳初期・5〜6ヶ月):米1に対して水10で炊いたとろとろのお粥。なめらかにすりつぶして与えます。
- 7倍粥(離乳中期・7〜8ヶ月):米1に対して水7。舌でつぶせる軟らかさが目標です。
- 5倍粥(離乳後期・9〜11ヶ月):米1に対して水5。歯ぐきでつぶせる固さになり、手づかみ食べの練習がしやすくなります。軟飯に移行する準備段階でもあります。
- 軟飯(離乳完了期・12ヶ月〜):大人のご飯に近い固さ。9ヶ月後半から慣れさせていくご家庭も多いです。
お粥の進み具合に合わせて、副食(おかず)の固さや形状も変えていきます。9ヶ月になったからと言っていきなり軟飯・普通食にする必要はありません。お子さんの様子を見ながらゆっくり進めてください。
レシピ1:だし煮野菜の手づかみ(にんじん・大根・ブロッコリー)
月齢:9ヶ月〜 · 準備時間:5分 · 調理時間:12分
日本の赤ちゃん離乳食の定番「だし」——昆布や鰹節からとった旨みのある出汁は、塩分をほぼ含まず赤ちゃんに適した風味づけになります。「だしで煮ること」で野菜がおいしく仕上がり、初めて食べる野菜も受け入れやすくなります。
材料(1回分)
- にんじん(1cm角に切ったもの)大さじ2
- 大根(1cm角に切ったもの)大さじ2
- ブロッコリー小房(小さく切ったもの)大さじ1
- 昆布だしまたは鰹だし(無塩)100ml
作り方
- にんじんと大根をだし汁で煮始め、8分ほど煮る。
- ブロッコリーを加えてさらに3〜4分、指先でつぶせるくらい軟らかくなるまで煮る。
- 粗熱をとり、1cm角以下になっているか確認してから与える。
栄養メモ:ベータカロテン(にんじん)、ビタミンC(ブロッコリー)、食物繊維。ビタミンCは植物性食品の鉄の吸収を助けます。
アレルゲン:特定原材料7品目・準ずる21品目いずれも含まない。
レシピ2:豆腐の手づかみ(出汁あんかけ)
月齢:9ヶ月〜 · 準備時間:3分 · 調理時間:5分
豆腐は離乳食初期から使える食材ですが、手づかみ食べとして与えるには少し固めの木綿豆腐が向いています。絹ごしはつるりと滑りやすいため、ざるで水切りしてから使いましょう。植物性たんぱく質・カルシウム・鉄を含むすぐれた離乳食食材です。
材料(1回分)
- 木綿豆腐(水切りしたもの)30〜40g
- 昆布だし(無塩)50ml
- 片栗粉 小さじ1/2(水大さじ1で溶く)
作り方
- 豆腐を1cm角に切り、沸騰したお湯で1分ゆでる(加熱殺菌のため)。水気を切る。
- だし汁を小鍋で温め、水溶き片栗粉を加えてとろみをつける。
- 豆腐の上にあんをかけて与える。あんがあることで豆腐がつかみやすくなる。
栄養メモ:植物性たんぱく質、カルシウム、イソフラボン。離乳後期の鉄補給にも有効な食材です。
アレルゲン:大豆(特定原材料に準ずる品目)。初めて与える場合は少量から始め2時間ほど様子を見てください。
レシピ3:ふわふわ卵焼き(だし入り・無塩)
月齢:9ヶ月〜 · 準備時間:5分 · 調理時間:10分
卵は日本小児アレルギー学会の「食物アレルギー診療ガイドライン2021」でも、生後5〜6ヶ月から少量ずつ段階的に導入することが推奨されています。9ヶ月の赤ちゃんで卵を既に導入済みであれば、だし入り卵焼きは手づかみ食べとして最適な一品です。
材料(2〜3回分)
- 卵 1個
- 昆布だしまたは鰹だし(無塩)大さじ2
- 薄力粉 小さじ1(形を安定させるため・省略可)
- サラダ油 少量
作り方
- 卵をよく溶き、だし汁・薄力粉と混ぜる。
- 薄く油を引いたフライパンを中火で温め、卵液を流し入れる。
- ふんわり固まったら巻き、弱火でしっかり中まで加熱する(生卵は赤ちゃんに不可)。
- 粗熱をとり、1cm角の小さな四角に切って与える。
栄養メモ:良質なたんぱく質、鉄、ビタミンB12。卵黄には脳の発達に必要なコリンも含まれます。
アレルゲン:卵(特定原材料)。必ず完全に火を通してください。生卵は乳幼児に与えないでください。
レシピ4:納豆のごはんボール(5倍粥)
月齢:9ヶ月〜 · 準備時間:5分
納豆は日本独自の発酵食品で、植物性たんぱく質・ビタミンK・ナットウキナーゼを豊富に含みます。離乳後期(9ヶ月〜)から少量ずつ取り入れられる食材で、粘りがあるためそのままでは食べにくい場合、ごはんに混ぜてボール状にすると手づかみしやすくなります。
材料(2〜3個分)
- 5倍粥(または軟飯)大さじ3
- ひきわり納豆 小さじ1(たれ・からしは使用しない)
- 青のり 少量(省略可)
作り方
- ひきわり納豆をそのまま(たれなし)5倍粥に混ぜる。
- 直径1〜1.5cm程度のボール状に丸める。
- お好みで青のりを表面に軽くまぶす。すぐ崩れる軟らかさであることを確認してから与える。
栄養メモ:鉄・カルシウム・たんぱく質の三重奏。ナットウキナーゼは加熱に弱いため、加熱せず与えることで活性が保たれます。
アレルゲン:大豆(特定原材料に準ずる品目)。初めての場合は少量から。
レシピ5:やわらかスチーム蒸しサーモンフレーク
月齢:9ヶ月〜 · 準備時間:3分 · 調理時間:8分
日本では鮭(サーモン)は離乳中期から使える定番の魚です。ヘム鉄・DHA・EPAを豊富に含み、脳と目の発達を支えます。手づかみ食べには、ほぐしやすく骨の心配が少ない鮭の切り身が最適です。必ず骨がないことを確認してから与えてください。
材料(2〜3回分)
- 生鮭(骨なし・皮なし)30g
- 昆布だし(無塩)50ml
作り方
- 鮭をだし汁で8分ほど蒸し煮にする(中心まで完全に火を通す)。
- 粗熱がとれたら、指先で細かくほぐす。5mm以下のフレーク状にする。
- だし汁を少量まぶして乾燥を防いでから与える。
栄養メモ:ヘム鉄・DHA・EPA・良質なたんぱく質。DHAは脳の構成成分で、乳幼児期の摂取が推奨されています(WHO)。
アレルゲン:さけ(特定原材料に準ずる品目)。初めての場合は少量から。加工食品の鮭は塩分が高いため、必ず無塩・生鮭を使用してください。
レシピ6:バナナとさつまいものおやつボール(3時のおやつに)
月齢:9ヶ月〜 · 準備時間:10分 · 調理時間:15分
日本では3時のおやつ(おやつ文化)が幼児期から定着しており、離乳後期の赤ちゃんにも1日1〜2回のおやつを取り入れることが推奨されています(厚労省「授乳・離乳の支援ガイド」)。このレシピは砂糖・はちみつ不使用で、バナナとさつまいもの自然な甘みだけを使います。
材料(10〜12個分)
- 熟したバナナ 1本(中くらい)
- さつまいも(蒸したもの)50g
- 片栗粉 大さじ1
- シナモン 少量(省略可)
作り方
- バナナとさつまいもをフォークでよくつぶし、なめらかなペースト状にする。
- 片栗粉を加えてよく混ぜ、直径1〜1.5cmのボール状に丸める。
- フライパンに薄く油を引き、弱中火で全面をこんがり焼く(約8〜10分)。
- 完全に冷ましてから与える。
栄養メモ:糖質・食物繊維・カリウム。砂糖・はちみつ不使用で自然な甘みのみ。砂糖依存を防ぐためにも甘みは食材由来が理想です。
アレルゲン:特定原材料7品目・準ずる21品目いずれも含まない。
アレルゲンと安全について:厚労省の特定原材料
日本の食品表示法では、特定原材料8品目(えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生)と特定原材料に準ずる20品目(アーモンド・あわび・いか・いくら・オレンジ・カシューナッツ・キウイフルーツ・牛肉・ごま・さけ・さば・大豆・鶏肉・バナナ・豚肉・まつたけ・もも・やまいも・りんご・ゼラチン)を表示することが義務または推奨されています。
日本小児アレルギー学会の「食物アレルギー診療ガイドライン2021」では、アレルゲン食材の完全除去は推奨されておらず、むしろ早期から少量ずつ導入することで感作リスクが下がる可能性があるとされています。かかりつけの小児科医(乳幼児健診担当医)と相談しながら進めてください。
窒息リスクのある食品(9ヶ月):丸いままのブドウ・ミニトマト・ウズラの卵(必ず4等分以上に)、こんにゃくゼリー・ナッツ類・ポテトチップスの棒状スナック、硬いにんじん・りんごそのまま。これらは適切に切るか、この時期は避けてください。
はちみつ:満1歳未満は絶対に与えないでください。加熱しても安全にはなりません(乳児ボツリヌス症のリスク)。厚生労働省・日本小児科学会ともに明確に禁止しています。
生卵:乳幼児に与えないでください。サルモネラ菌のリスクがあります。卵は必ず完全に火を通してください。
塩分・調味料:離乳食に食塩・しょうゆ・みそを多量に使うことは避けてください。腎臓が未熟な赤ちゃんには塩分過多になります。だし(昆布・鰹節)の旨みで十分な風味がつきます。
手づかみ食べを成功させるコツ
- ベビーチェアにしっかり座らせる:背筋を伸ばしてしっかり座ることで飲み込みやすくなり、窒息リスクも下がります。バウンサーや授乳クッションでの食事は避けてください。
- 食材の色・形を変えて並べる:日本のお弁当文化のように、2〜3種類の食材を小さな山に分けて並べると、赤ちゃんの興味をひきやすくなります。
- ペーストと手づかみ食べを並行する:手づかみ食べに慣れている途中の赤ちゃんには、ペーストと手づかみ食べを同時に出すと安心して食べられます。
- 食べ散らかしを前提にする:食べこぼしは発達の証拠です。椅子の下にレジャーシートを敷き、お食事エプロン(袖つきタイプ)を使うと片付けが楽になります。
- 無理強いしない:食べる量は赤ちゃん自身が調節します。「出す・食べさせない・残していい」の三原則を大切にしてください(日本小児科学会の推奨するレスポンシブフィーディングの考え方)。
よくある質問
手づかみ食べの一口の大きさはどれくらいですか?
生後9ヶ月ごろになると、親指と人差し指で小さなものをつまむ「ピンサーグラスプ(つまみ食べ)」が発達します。食材は約1cm角以下を目安に、指でつぶせる軟らかさに調理してください。日本小児科学会の離乳食ガイドでは「歯ぐきでつぶせる固さ」を後期(9〜11ヶ月)の目安としています。それ以前はスティック状の手づかみ食べが主流でしたが、この時期から小さめの形状に移行していきます。
手づかみ食べを始める準備ができているサインは何ですか?
つまみ食べ(ピンサーグラスプ)が出てきたことが一番のサインです。おおむね生後8〜10ヶ月に現れ、小さなものを親指と人差し指でつまもうとする様子が見られます。そのほかのサインとして、ひとりで座れる、口をもぐもぐ動かす(歯が生えていなくても)、なめらかでない食感のものを飲み込めるようになっていることも確認しましょう。母子健康手帳の離乳食チェック欄も参考にしてください。
歯が生えていなくても手づかみ食べはできますか?
はい、問題ありません。赤ちゃんの歯ぐきは思っているより力強く、舌と上あごで食材をすりつぶす動きをします。歯が生える前から軟らかい手づかみ食べは取り入れられます。厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定)」でも、後期離乳食(9〜11ヶ月)には歯ぐきでつぶせる固さの食材を推奨しています。硬い食材(生のにんじん、りんごそのまま、ナッツ類)は歯の有無にかかわらず与えないでください。
まだほぼペーストしか食べない場合はどうすればよいですか?
焦らなくて大丈夫です。ペーストを少しずつ粗くつぶすところから始め、軟らかい小さな塊を混ぜ、手づかみ食べと並行して進めてみましょう。厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」では、10ヶ月以降も塊状食材への移行を遅らせると食の拒否が増える可能性が示されています。お子さんのペースを見ながらも、10ヶ月を過ぎたら少しずつ食感を増やすことを意識してみてください。
誤嚥・窒息が心配です。注意することを教えてください。
正しい知識を持って取り組めば、過度な恐怖は不要です。バウンサーや授乳クッションではなく、必ずベビーチェアにしっかり座らせた状態で食べさせてください。食事中は目を離さず、乳児の救急対応(背部叩打法など)を事前に学んでおくと安心です。危険な形状として、丸のままのミニトマト・ブドウ・ウズラの卵(4等分に)、棒状のナッツ・ポテトチップス・こんにゃくゼリーは避けてください。このページで紹介するレシピは1cm角以下の軟らかい食材を使用しています。
はちみつはいつから使えますか?
満1歳を過ぎるまではちみつは絶対に与えないでください。はちみつにはボツリヌス菌の芽胞が含まれることがあり、腸内環境が未熟な1歳未満の赤ちゃんでは乳児ボツリヌス症を引き起こす危険があります。これは加熱しても防げません。厚生労働省および日本小児科学会がともに明確に禁止しています。代わりの甘みにはバナナやさつまいもなど自然な甘みのある食材をご利用ください。
生後9ヶ月の母乳・ミルクの量の目安はどれくらいですか?
日本小児科学会の指針では、生後12ヶ月までは母乳またはミルクが栄養の主体です。離乳後期(9〜11ヶ月)には1日3回の離乳食+間食を取り入れながら、母乳は引き続き欲しがるだけ、ミルクの場合は1日400〜600ml程度を目安にします。離乳食が増えるにつれ乳の量は自然に減っていきます。」
アレルギーはいつ・どうやって確認すればよいですか?
厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」では、特定原材料(卵・乳・小麦・そば・落花生・えび・かに・くるみ・カシューナッツなど)を早期から少量ずつ導入することで感作リスクが下がる可能性を示しています。初めてアレルギーの可能性がある食材を与えるときは、午前中に小量から始め、症状が出ないか2時間ほど観察してください。アレルギーの家族歴がある場合は、あらかじめかかりつけの小児科医(かかりつけ医・乳幼児健診の担当医)に相談してから進めましょう。
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この記事は一般的な情報提供を目的としており、専門的な医学的助言に代わるものではありません。お子さまについては必ず小児科医にご相談ください。
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