睡眠
背中スイッチはなぜ作動する?置くタイミングの見分け方
寝かしつけがうまくいったのに、布団に置いた瞬間に泣く——いわゆる背中スイッチ。あの一瞬で何が変わっているのか、どのタイミングなら置けるのかをまとめました。
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この記事は一般的な情報提供を目的としており、専門的な医学的助言に代わるものではありません。お子さまについては必ず小児科医にご相談ください。
出典:WHO・CDC・AAP・NHS。推奨は国によって異なります。日本については日本小児科学会をご確認ください。
変わっているのは「背中」ではありません
赤ちゃんが感じ取っているのは布団の感触そのものではなく、同時に訪れるいくつかの変化です。胸に触れていた温もりと圧が消えること、背中に空気が当たること、そして下ろすときに頭が傾くこと。
最後のひとつは、多くの方が思っている以上に大きく働きます。内耳は眠っている間も頭の位置を読み続けていて、下ろす途中で頭が後ろに落ちると「何かが変わった」という信号がはっきり届きます。浅い眠りの赤ちゃんには、それだけで十分なことが多いのです。
生後まもない時期にはもうひとつ、モロー反射があります。落ちるような感覚で腕がぱっと開き、その動き自体で自分を起こしてしまいます。
動かせる条件は「眠りの深さ」
赤ちゃんはいきなり深い眠りに入るわけではありません。まず浅い段階を通り、およそ20分ほど経ってから、多少触れても崩れない深さに届きます。
同じ置き方が8分では失敗し、22分では成功するのはこのためです。やり方が変わったのではなく、赤ちゃんの側が変わっています。
昨日はうまくいったのに今日はだめ、という日の違いも、たいていは動き始めた時刻の差です。
深く眠っているかを見分ける
腕を2〜3センチそっと持ち上げて離してみてください。浅い眠りではまだ力が残っていて、そのまま止まるか引き戻します。深い眠りでは、すとんと落ちます。
手のひらも目安になります。浅いうちは指が軽く丸まったままですが、眠りが深まると指がほどけて手全体がやわらかくなります。
呼吸も変わります。浅い眠りでは速くなったり遅くなったりと少し不規則ですが、深い眠りでは一定のリズムに落ち着きます。
置き方を少しだけ変える
お尻と足から先に下ろし、頭を最後にします。動作の途中で頭が後ろに傾かないので、いちばん起きやすい信号を減らせます。
置いたあと数秒、手を胸やお腹に置いたままにします。抱っこと「ひとり」の間をつなぐ形になり、すべてが一度に消えずにすみます。
先に布団を温めておきます。背中が触れる場所に手のひらを数秒あてるだけで十分です。温かい胸から冷たいシーツへ、という変化はそのまま減らせます。
下ろすときは体をまっすぐ伸ばさず、軽く丸めた姿勢のままにします。丸まった姿勢から伸びた姿勢への移行も、浅い段階では避けたい変化のひとつです。
いつ楽になるか
モロー反射は生後3〜4か月ごろに薄れていきます。いちばん激しい形の背中スイッチは、これと一緒に落ち着いていきます。
眠りの構造も育ちます。寝入ってから深い眠りに届くまでの時間が短くなるので、待つ必要のある窓そのものが狭くなります。
多くのご家庭で、4〜6か月のどこかで寝かしつけの最後の「置くこと」が一大事ではなくなります。それまでは、うっかり作ってしまった癖ではなく、月齢どおりの段階です。
あまり効かないこと
失敗した直後にもう一度試しても、うまくいくことは多くありません。いま起きたばかりで、また浅い段階からやり直しになるため、二度目のほうが条件は悪くなっています。
「何分待つ」と決めるより、サインを見るほうが確実です。20分は平均であって規則ではなく、月齢やその日の疲れ方で動きます。
直すべきことだと捉えると、かえってうまくいきません。置くと起きる赤ちゃんは眠りを拒んでいるのではなく、月齢どおりの眠り方をしています。
気になるときは
抱っこしていても落ち着かない、どこでも数分しか眠り続けられない、という場合は、置き方以外のことが起きているかもしれません。
反り返りが続く、授乳のあとに苦しそう、あるいはそれまでの様子が急に変わってそのままになる——こうしたことは健診で気軽に相談してよい内容です。
なお、赤ちゃんは固く平らな場所に、あおむけで、まわりに何も置かずに寝かせます。ここまでの置き方は、すべてその前提の中での工夫です。
よくある質問
置いた瞬間に泣くのはなぜですか?
同じ瞬間にいくつものことが変わるからです。抱っこの温もりと圧、触れる面の温度、そして頭の位置。内耳は眠っている間も頭の動きを読んでいますし、月齢の低い赤ちゃんでは落ちるような感覚がモロー反射を引き起こします。浅い眠りのときは、このうちひとつでも十分です。
どのくらい抱っこしてから置けばいいですか?
目安は20分ほどですが、幅があります。時計を見るより、持ち上げた腕がすとんと落ちるか、手のひらがほどけているか、呼吸が一定のリズムになっているかを確かめてください。
おくるみは背中スイッチに効きますか?
効くことがあります。モロー反射で腕が動く範囲を抑えられるためです。ただし寝返りのきざしが見えたらおくるみはやめ、おくるみを使う間も必ずあおむけで寝かせます。すでに寝返りをする月齢なら、腕を包まないスリーパーで温かさだけを保てます。
いつまで続きますか?
いちばん強く出るのは、モロー反射が残っている生後3〜4か月ごろまでです。多くのご家庭では、眠りの構造が育って浅い段階が短くなる4〜6か月のあいだにはっきり楽になります。
抱っこで寝かせるのは癖になりませんか?
月齢の低いうちに抱っこで寝かせても、それがそのまま続く癖にはなりません。この時期の眠り方は学習よりも発達で決まります。生後2か月のころは抱っこでしか眠れなかった赤ちゃんが、数か月後には別の場所でも眠れるようになる例はたくさんあります。
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